足腰の弱い高齢者の多くはダイニングの椅子から立ち上がろうとした場合、
「よっこいしょ」と掛け声をかけてしまう程立ち上がるために労力を要して
います。
しかしこのロッキングチェアーの場合、椅子が前後に揺れることで立ち上が
ろうとした時に前に椅子が傾くため体が前傾へ移動する動きがスムーズで、
膝や腰に大きな負担を掛けずに椅子から立ち上がることが出来ます。
右図は固定した椅子とロッキングチェアーとの、膝・腰の動きの違いを
実験比較した図です。
膝や腰の関節は固定椅子よりもロッキングチェアーのほうが急激な
伸び方をせずにゆっくりと伸びていく
軌道を描きます。
また、膝に掛かる負担の実験では固定椅子よりもロッキングチェアーの
ほう
が関節を伸ばそうとする力と
曲げようとする力が小さいことが
示されています。
よって、固定椅子よりもロッキングチェアーのほうが膝に負担が掛からずに
立ち上がることができると期待されます。
開発された有効な福祉機器であってもなかなかデザインになじみにくい
側面がありますが、このロッキングチェアーはご家庭のダイニングに
置いても
違和感のないデザインをしていますので生活支援の道具として
有効的だと
考えられます。
|